達成すべき目標や到達すべきゴールを明確に定義(Define)した上で、目標達成やゴール到達を実現するための課題や施策を分析(Analyze)し、実行するための具体的な行動計画(Plan)を策定する、D(定義)→A(分析)→P(計画)の3段階のステップを意識的に行う思考法です。 |
ビジネスとは、「組織目的の実現を目指して行われる行動の総体」です。したがって、ビジネスにおける思考は、「組織目的の実現のために為すべき行動」を結論として導くものでなければなりません。 しかし、ビジネスにおける個々の行動は、組織全体の理念やビジョンは意識せずに、もう少し身近な目標やゴールを目指して行われるのが通常です。D(定義)ステップでは、このような「行動によって直接的に達成しようとする目標(達成目標)」の定義を行います。 達成目標は、組織のメンバーが「主体的な意思をもって定める」ことが基本です。ただし、達成目標が組織目的に適った内容であることも併せて担保することも重要です。 |
目標を達成するために取り組むべき課題や為すべき施策には、様々な選択肢があります。A(分析)ステップでは、可能性のある選択肢をリストアップした上で、優位性の高い課題や施策の絞り込みを行います。 この際に重要になるのが、因果関係の分析です。例えば、ある種の問題の解決を目標とする場合、問題を引き起こしている原因を究明せずには有効な対策を導けません。また、現状より望ましい状態の実現を目指す場合にも、その状態を結果としてもたらすような手段を特定することが必須です。 課題や施策を特定するステップを「分析(Analyze)」としていることには、このような意味が込められています。 |
目標達成のためになすべき「何を(what)行うか?(施策)」が定まったとしても、「いかに(how)行うか?」が定まらないと、具体的な行動を展開することができません。 P(計画)ステップでは、施策を詳細な作業項目に分解した上で、それを担当者に割り振ったり、スケジュールに落とし込んだりすることによって、組織のメンバーがすぐにでも行動に移せるような準備を行います。 |
ビジネスのマネジメントサイクルとしてP(Plan)→D(do)→C(check)→A(action)があります。PDCAサイクルにおいては、実行(do)した後、その成果を確認(check)して、修正(action)を行う部分が強調され、実行前の計画(plan)はあまり重視されない傾向があります。 しかし、ビジネスにおいて何らかの行動(do)を行う際には、必ずコストが発生します。したがって、通常は、「とりあえずやってみてダメなら修正する」という訳にはいきません。このため、実行の前の計画(plan)を綿密に行う必要がありますが、その計画を段階を踏んで行おうとするのがDAP思考です。 |
ビジネスにおいて「為すべき行動」を導き出す思考場面は、いくつかの種類があります。それぞれの場面では、目標の種類や大きさが異なるため、D(定義)ステップ、A(分析)ステップで実施する内容は変わってきます。 |
(1) 問題解決(発生型問題解決) |
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(2)目標達成(設定型課題解決)
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(3)戦略策定 |
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